TungTech, テクニカル記事 – TetraForce-Cut



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タンガロイのTetraForce-Cut(テトラフォース・カット)とTetraMini-Cut(テトラミニ・カット)は、革新的な技術の進歩により、外径溝入れ、突切り、ねじ切り加工を一変させた。従来の3コーナ仕様、あるいはドッグボーン型の溝入れ・突切り・ねじ切りインサートと比較した場合、この工具シリーズがもたらす結果は圧倒的に優れている。

高剛性クランプで4コーナ仕様という独自のインサート形状は、突切り、溝入れ、ねじ切り加工における経済性の向上に貢献する。更に、この形状による利点は、単純な経済性をはるかに超えている。

独自のクランプシステムによって、加工中のインサートの安定性が増し、コーナチェンジの都度、正確な刃先位置精度が確保される。そのため、より精度の高い部品製造、オフセットの低減、高品質の仕上げ面と安定した工具寿命を実現する。工具のポケットは、未使用の刃先を、切りくずとの接触で生じる不慮の破損からガードする形状になっている。万が一、致命的な破損が生じたとしても、他のコーナはその影響を受けず、すべて使用することができる。


従来の3コーナ仕様のインサートは、V字ポケットで支えられるため、切削抵抗が、主に切れ刃の下の接触点に対して作用し、すぐにツールホルダの塑性変形を引き起こす。この変形は、不安定な加工、精度の低下、表面仕上げの悪化の原因となる。接触点が3点になることで、塑性変形が抑制され、インサートの位置精度が確保される。インサートの止めねじは、工具の両方向からアクセスできるので、一般旋盤や自動盤での加工に最適である。

最も一般的な3コーナ仕様の溝入れインサートとは異なり、TetraForce-Cutのインサートは、通常、2コーナ仕様のドッグボーン型溝入れ工具のみに見られる「型押し」タイプのチップブレーカを持つ。

深いディンプル形状のチップブレーカは、切りくずをカールさせ、切りくず詰まりによるダウンタイムを防止する。チップブレーカのネガランドは驚異的な耐欠損性を備え、深いディンプルが切削抵抗を低減するため、送りを上げることが可能になり、サイクルタイムが短縮される。

TetraForce-Cutは、幅0.5mm〜3.18mmに対応し、この範囲内に様々な幅のオプションを標準品としてラインナップしている。このインサートは、従来の3コーナ仕様インサートの加工領域をはるかに超え、半径方向切込み6.4mmまで加工できる。しかし、TetraForce-Cutで得られるほどの深さの加工が必要なケースは多くない。そこで、タンガロイはTetraMini-Cutを拡充した。


TetraMini-Cutは、TetraForce-Cutと同じ特長を持つ小型のインサートで、更なる経済性の向上に貢献する。インサートは、幅0.33mm〜3.0mmの範囲内で、標準品として多数の幅のオプションを設定している。溝入れは、多くの3コーナ仕様溝入れインサートに匹敵、あるいはそれを上回る深さ3.5mmまで対応する。

TetraMini-Cutは、自動盤での小型部品加工に適しており、10mm角シャンクを始め、様々な工具をラインナップし、また標準旋盤用の20mm・25mm角のシャンクも備えている。TetraMini-Cutのツールホルダとインサートは、フランジ際の加工にも適した設計になっており、より効率的な加工が可能だ。

TetraMini-Cutのインサートは、コーナ半径が小さく、切れ刃が非常に鋭いポジ形状で、切削加工を容易にする。そのため、小型の薄肉ワークの一般ねじ切り、溝入れ、突切り加工に適している。


この工具シリーズを更に強化するため、インサートには、新材種AH7025が採用されている。AH7025は、溝入れ・ねじ切り加工用に開発された超硬母材と、ナノレベルの高 Al 積層被膜(AlTiN)を使用した PVDコーティング(タンガロイ特許取得済)で構成される。この積層構造のコーティングには、コーティングが超硬から剥離するのを防ぐ高度な密着性があり、微小亀裂の進行を抑制する。コーティングの外面は滑らかで、刃先への切りくずの凝着を防ぐ。このような特長により、切削速度を上げても、かつてないほどの長寿命を実現する。

TetraForce-CutとTetraMini-Cutのツールホルダは、内部給油でも使用可能である。この独自デザインによって、切削油が直接切れ刃に供給されるため、工具寿命、切りくず処理、仕上げ面品位が改善する。

外径溝入れ・ねじ切り加工用工具シリーズTetraForce-Cut、TetraMini-Cutは、加工における経済性と信頼性を両立し、最高品質の製品を生みだすツールである。